昨日無事、シリコンバレーに戻る。
20日(日)の晩に京都から東京に戻った後、21日(月)の午後から23日(水)の朝まで、宮崎シーガイアでのNILS(New Industry Leaders Summit)に投資先のCEOを連れて参加。
本Conferenceの詳細はおそらく他のBloggerの方々やCNETはじめ様々なWebメディアで紹介されていると思われるので内容は割愛するが、当方はアメリカから連れて行った投資先CEOのアテンド及びパネルでの通訳を担当。壇上で100名余の方々を前に通訳をするのは、相応に緊張する。
さてNILS、様々な刺激を受けたが、参加して最も印象に残った感覚は「手作り感」である。本件、DriverはGlobis Capital Partnersの小林氏。Conferenceの参加要領のご案内からフライトの変更手配、果ては参加費用の入金確認まで一手に引き受けられている様には、大変驚いたと共に感心しきり。また、当日の各セッションでもマイクやPCの接続から同氏が関与。
もう1つ印象に残ったのは、各セッションが終了した後に質問を受け付ける時。手を上げた人間に対して、モデレータの小林氏は100%に近い確率で「では、次は**さん」と個人名で指名されている。通常のConferenceであれば、モデレータが聴衆の顔を見て名前1人1人を当てられることはまずありえない。会場のAudienceは100名はくだらないし、会場もシーガイアの大変立派なConvention Center。ぱっと見、かなりハイレベルのOfficialなConferenceに見える。然し、QAが始まると、まるで学校のクラスで先生にあてて貰っているような雰囲気でQAが進む。これが大変面白いと思う。かくいう当方も、質問の手を上げたら名前で指名して頂いた。
NILSが広い共感を業界に呼んでいるであろう理由の1つには、この手作り感があるのではないかと思う。そしてその背景にあるのは、何とも言えない「安心感」と「信頼感」、そして「共感」のようなものである。そして、何故そのような感情を覚える会が成立しているのかというと、それは以下3点セットの組み合わせがあるからだろうと思う。
①Driverの方自身が楽しんでおられるということ。
②実利面でも実際にCommunityがこのような場を必要としていること、そして場のメリットを享受していること。
③Driverの方が近視眼的な損得を超えて、Communityに対してよかれと思ったことをやられていること。
①が無いと、多分Driverの方がもたない。ので続かない。②が無いとそもそも優れた方々が集まらないので始まらない。③が無いとCommunityは警戒してよそ行きモード(?)になり、人が集まっても創発を促すようなCommunityとして機能せず、続かない。
①~③全てが揃って、このような会が成立するのだろう。これらは、いわゆる消費者から熱狂的に支持される企業が兼ね備えている特質でもある。そういう意味で、NILSとGoogle、Appleあたりに共通点を感じる。
そして会場でのClosing Party時にふと会場全体を見回して浮かんだのは、Web2.0という言葉。NILSでの議論のテーマにWeb2.0が多く取り上げられ、実際の参加者の方々にも当該キーワードと関連する事業を営まれている方々が多く含まれていることは、決して偶然ではないと思う。NILSの会場に流れている雰囲気そのものが、コミュニティへの貢献や相互依存的なバリューチェーンを土台とするWeb2.0的な思想と重なり合っていると感じた。このエントリを「NILSとWeb2.0」とした理由は、この感覚がベースにある。「NILSが議論のテーマとしてWeb2.0を取り上げた」のみならず、「NILSがWeb2.0」なのだろうと思う。
明けて23日、宮崎空港に向かうタクシーの中で、コミュニティへの貢献という面での自らの至らなさを思い起こす。思えばシリコンバレーで仕事が出来ているのも、様々な方のお力添えがあったから。このブログを続けているのも、それこそ以前小林氏のInputがあったから。
というわけで、シリコンバレーにいる当方が出来ることが何かないか、とつらつら考える今日この頃。日本出張時にわざわざ面談・夕食機会を下さったりNILSで名刺交換の機会を頂いた方々は無論、このBlogをご覧頂いている方で、シリコンバレーにお立ち寄りの際は、是非お気軽に御一報頂けると嬉しい。当地事情等、少しはお役に立てることをお話出来るのではないかと思う。
カリフォルニアワインとシーフードでおもてなししたい。
いろいろとありがとうございました!
今後ともよろしくお願いします!
Posted by: 小林雅 | November 24, 2005 at 11:10 PM
大変お世話になりました。本当に目から鱗の2日間でした。
こちらこそ、今後共何卒宜しくお願い申し上げます。
Posted by: Dave | November 25, 2005 at 12:58 PM