午前中に某起業家来訪。午後には創業間もない別のベンチャーOfficeへ訪問。各々対照的な内容で、興味深い1日。
午前中は、面白い技術と標準の提案。超汎用的な内容であるだけに、大手の取組や無料化の波にどう対応して行くか、という話になる。そして、超Horizontalな技術分野でいつも問題になるのがMonetization。テクノロジーのマスに対するライセンス販売、という方向は難しく、技術のレイヤーの上でPlayするサービス事業者に向かって生まれるRevenue Streamをどうつかまえるか、若しくは自らの技術を活用して上位のサービス分野に出て行く余地は無いか、となる。尚、このような議論をしているのはベンチャーに限らない。一旦成功を収めたテクノロジー企業でも、成長余力という意味でこの手の課題に直面している企業は少なくない。
一方、午後はどっぷりサービス層。某メディア系のサービスをこれから世に出そうとしているベンチャー。2時間の面談中、「技術はCommodityだ」と10回以上聞かされる。そして、彼らのサービスコンセプトの話。数年で数百万人の利用者を抱えるに至るロードマップが語られる。そこで、「技術はCommodityだ、はいいけど、なんでみんなこのサービスを使うようになると言えるの?内容が良ければ真似されるだろうし。差別化要因は何?」と聞くと、いくつか返事が返ってくるがどうもピンと来ない。最後は、「シリコンバレーのVCは、みんないつも機能の差別化要因だ技術的優位性だとかを聞きたがるが、もううんざりだ。これはビジネス。New YorkやLAでは誰もそんなこと問題視しない」と文句を言うCEO。「じゃあNYかLAで起業すればよかったじゃん」と問うと、「だってずっとここに住んでるんだからしょうがない」と言う。
一般的に、テクノロジーだけをやっていても、技術PlayerとしてScale感を持った儲け手段を見つけるのは容易ではない。一方で、サービスだけをやっていても、中期的には自社ならではの特徴を出す余地は往々にして限定的。正解は、何らかのテクノロジー面でのフックを持ったサービス事業をやる、ということではないかと思う。テクノロジーに明るく、且つサービス事業の組み立ても出来る個人及びチームをどう組成して運用するか、が1つのポイントとなろう。
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