Dave's Blog

Riviera MayaのMandarin Oriental Hotelは超お勧め

Tulum遺跡を後に。Cancunへの帰路途中、Riviera Mayaに2007年にOpenしたばかりのLuxury Resort、Mandarin Orientalに立ち寄る。

307号線沿いに立つHotelのGateに車を進め、係員にCheckｰInではなくLunchのみ利用したい旨伝え、且つ事前に予約も何もしていないことを詫びる。すると、宿泊先と名前を聞かれる。各々答えて暫くすると、係員が戻ってきて満面の笑みで「Welcome」とのこと。大きなGateが開き、車を敷地内に入れる。中は表の喧騒とは別世界のLuxury Resort。車寄せには別のStaffが待っていた。"Welcome, Mr. Takeuchi"と早速名前で呼ばれる。車を降りてReceptionへ。Receptionは高い天井が印象的な開放的な空間。

　　　 

Receptionを横切って裏手へ回る。その間ずっと、車寄せで会ったStaffが付き添って館内の説明をしてくれる。予約無しでLunchのみに訪れたにも関わらず、大変丁寧な対応で驚く。さすがMandarin Oriental。そしてReceptionの裏には電動カートが待っていた・・。カートに乗り込んでコテージ群を通り抜け、いざBeach脇のレストラン地区へ向かう。

林の中に点在するコテージは、新しいホテルならではの大変モダンなデザインが印象的。Cancunの大規模Hotel群とは異なり、静かでPrivate感あふれる雰囲気である。

　　　 

5分ほどカートに揺られた後、レストラン棟到着。ここでも別のStaffが待っていた。レストラン棟の説明を受け、AquamarinaでのLunchを選択。AquamarinaのLunchはMexicanをベースとした創作。Pool Sideのテラス席は正面にBeachも見えて大変開放的な空間。

　　　  

　　　  

　　　 

席に着こうとPool Sideを歩いていた際、我々の対応をしてくれていたWaiter以外のStaffが横を通り過ぎた。すかさず"Hello Mr. Takeuchi, how are you?"と話しかけてくる・・・。ほんの15分ほど前に予約無しでHotel敷地に入ったばかりなのに、たまたますれ違ったStaffがこちらの名前をちゃんと把握している。不思議に思うと共に、そのサービスの質に改めて感心する。

さて、ランチ開始。AppetizerはTomato Gazpacho。Tomatoの爽やかな酸味が心地よい。クルトンは口に含むとさらっと解けるSoftな仕上がり。大変美味。

　　　  

続けてShrimp Tacos。写真手前のShrimpを奥のCorn Tortillaで包み、AvocadoとSalsa Sauce、そしてGreen Sauceをかけて食べる。Shrimp TacosのShrimpが衣つきで揚げてあるのが大変珍しい。サクサクしていて不思議な食感のTacosに仕上がっている。味は新鮮な超美味加減。

　　　  

大満足のランチ終了。暫し海を眺めてのんびりしていると、いつしか夕方になり、大分日が傾いて来た。Checkを済ませてレストランを後に。再びさりげなく電動カートが待っている。。電動カートにゆられてReceptionに戻る。

　　　    

そしてReceptionを抜けて車寄せに行くと、我々の車がエンジン・エアコンをかけて待っていた。。。にこやかに「お帰りなさい」と言うスタッフ。全てが連動していて、こちらから何も頼む必要が無い。素晴らしすぎる。

大満足でMandarin Orientalを後に。Ritz-Carltonもお勧めだが、ここも大変お勧め。次回Cancunを訪れる際には、是非泊まってみたいと思う。

Tulum遺跡へ

今日はHotelでレンタカーを借り、朝からTulum遺跡を目指す。メキシコはアメリカと同じ右側通行＆左ハンドルで、アメリカの運転免許証がそのまま通用する。制限速度の表示がMileではなくKm表記であることや、「STOP」サインが「ALTO」と表記されているなど交通標識が全てスペイン語表記であることを除けば、基本的にアメリカで運転しているのと何も変わらない。

Hotelから空港方面に10分ほど車を走らせ、空港手前で307号に乗って南下。ユカタン半島東岸を約130km一気に下ってTulum遺跡へ。途中、軍の検問所が3ヶ所ほど設置されていて、自動小銃を携えた多数の兵士と装甲車が道路を取り囲んでいてものものしい雰囲気。

検問に引っかかることもなく、1時間30分ほどのDriveを経て無事Tulum遺跡到着。チケット売り場に並ぶ。強烈な日差しで無茶苦茶暑い・・。入場料は1人48ペソ。

　　　

Tulum遺跡はカリブ海に面したマヤ文明の城砦都市であり、周囲三方を3～5メートルの城壁がぐるっと囲む。成立は700年～1000年頃、貿易の中継地として1200年～1400年に最盛期を迎える。1519年に奴隷と黄金を求めたスペインの遠征隊が当地を訪れた際、最初に目にした都市であると言われている。

城壁に空いている穴を通って遺跡の中へ。

　　　 

城壁の中には、神殿や要塞、砦が並ぶ。荒涼とした遺跡内を散策しながら、過去マヤ人がここを交易の拠点や防衛の拠点として活用し、活況を呈していた様を想像する。栄枯盛衰。あらゆる文明には、いつか終わりがやって来る。我々の文明の最後は如何様なものになろうか、とふと思う。

　　　   

　　　   

　　　   

しばらく歩くと海に出る。美しいカリブ海と荒涼とした遺跡のコントラストが印象的。1519年、洋上からこの砦を初めて見たスペイン探検隊の心象風景はいかに。

　　　 

　　　 

　　　 

ふと海に目をやると、眼下に海水浴に興じる人々。かつてマヤ文明が海からの侵入者を警戒して建てた城砦都市が、600年～800年の時を経て今はすっかり平和な観光名所となり海水浴場となっている事実が感慨深い。過去、時に死を覚悟して人々が越境を試みたベルリンの壁は撤去されて壁のかけらは土産物になり、かつての共産主義の総本山モスクワにはマクドナルドやケンタッキーフライドチキンが並ぶ。どんなに変化が想像し難い体制や制度もいずれ変わる。時期を予想するのは容易ではないが、いずれ朝鮮半島を分断する幅4キロの非武装中立地帯が自然公園として開放され、ガザとイスラエルを分断する分離壁が撤去されて壁のかけらが土産物になり、各々観光客で賑わうようになる日が来るだろう。

Tulum遺跡正面のBeachで海水浴に興じる人々、そして遺跡内をカメラ片手にぞろぞろ歩くアメリカ人の団体やインディオとスペイン人との混血のメキシコ人の観光客の群れを眺めながら、ふとそんなことを考える。

　　　 

　　　   

The Ritz-Carlton CancunのDining、Fantinoは超お勧め

年末年始のMexico、Cancun旅行も中盤に差し掛かる。今日のDinnerは宿泊先のThe Ritz-Carlton CancunのDining、Fantinoで。夕方、プールから戻って部屋から予約の電話をかけると、ドレスコードの説明が。どんな食事体験が待ち受けているか、期待が膨らむ。

予約時間になり、レストランに向かう。ホテル内の他施設と同様、FantinoもエントランスにHoliday Seasonの装飾が施されていて美しい。

　　　

Wineは前日のSea Food Buffet時と同様、地元MexicoのMonte XanicをGlassで。今日は肉料理を想定してCabernetをオーダー。美味。続けて、前菜の前にChefからのサービスということで2皿serveされる。

1皿目はコンソメのスープ。上部のムース状のものはHorseradish。スープにはほのかにブルーベリーの味付けが施されており、意外感を演出する。シャンパングラスのような容器の形状が面白い。味は無論超美味。

　　　

サービス2皿目はShrimp。底部にオリーブの実を刻んだものが敷かれており、Shrimpとよくあって美味。

　　　 

付け出しと言うには余りにも充実した&美味な2皿。余韻に浸る間もなく、続けてオーダーしたAppetizerが運ばれて来る。House made chestnut pasta, forest mushrooms and creamy herb sauce。

　　　 

Pastaはばっちりアルデンテ。縮れ麺がMushroom風味たっぷりのソースと絡み合って大変うまい。見た目ほどしつこく無く、無理なく食べられる。

そしてメイン。Chef殿の今日の一押し、正統派Filet Mignonである。

　　　 

肉はしっとり柔らかな極上のFilet。上部に載っているのはMushroomを細かく刻んでCrispy状に調理したもの。これが肉にあって超超美味。Monte XanicのCabernetともよくあう。肉、Wine、肉、Wineと交互に進めて行き、あっという間に完食＆完飲。食べる者に考える暇を与えないうまさ。

Fantino、邸宅風の落ちついた雰囲気といい、料理のQualityといい、大変良い。途中からJazz PianoとVocalが入って更にMoodyな雰囲気になり、ここがMexicoのBeach Resortであることを暫し忘れる。Waiterのサービスも行き届いており、Mexico人のWaiterはほぼ完璧な英語を話す。また、1歳のうちの娘用にオーダーしたPastaが乳児にはちょっと塩辛いかもね・・とWaiter殿に言った所、間髪入れずに「直ちに作り直します」と言って作り直し＆薄味Versionを迅速にサーブ。更に、メインの料理で満腹になりデザートをパスしたところ、帰り際に「後で部屋で食べて下さい」とチョコレートの詰め合わせを渡される。そしてダメ押しは、翌朝レストランのChief Chefから来店御礼の手紙が部屋のドアの下に差し込まれていたことである・・。

Ritz-Carlton Hotel自体、サービスに定評があるHotelではあるが、Fantinoのサービスは自然で且つ細やかな配慮を随所に感じて大変気持ちの良いものだった。超お勧め。

　　　   

メキシコ ～ カンクンでカリブ海を眺めながら読書にふける

12月25日から、MexicoのCancunに来ている。Cancunは6500万年前に恐竜絶滅の原因となった巨大隕石が衝突したユカタン半島の東側、カリブ海に面したリゾート地である。海の向こうはキューバ。真っ白な砂浜、海は所謂カリビアンブルーで大変美しい。The Ritz-Carlton Hotel Cancunに宿泊。部屋の眼前に広がる海の美しさに暫し見とれる。

　　　 

Cancun到着から3日間、インターネットの接続を控えて外界との情報を一切遮断。TacosやFajitaを食べ、Mexican Beerやテキーラ、Margaritaを飲み、プールで泳ぎ、カリブの強烈な日差しを浴びて日焼けして、ひたすら読書にふける。1日1.5冊ペースで本を消化して行く。今年の休暇の読書テーマは、やはり現下の経済問題関連中心である。年明け時間を見つけて、思うところをまた色々書いてみたい。

　　　 

　　　 

　　　 

Pool Sideで海を眺めながらMargaritaをon the rockで一日一杯。テキーラの甘美な味を楽しむ。超美味。

　　　 

連夜のメキシコ料理は超美味。ChickenやShrimpが入ったTacosやFajitaを連日食す。Avocadoをたっぷり詰めて、激辛な緑色のハバネロソースを大量にぶっかけ、思いっきりかぶりつく。口から火を吐きながら勢いに任せて食べ続け、辛さに耐え切れなくなった所でコクのあるNegra Modelo Beerをがぶ飲みする。頭の中ではカールマンのオペレッタ、チャールダッシュの女王の旋律が駆け巡る。極楽。本当にもう言うことなし。

　　　   

　　　 

Sea Food BuffetでCalamari、Shrimp Cocktail、Lobster、Soup（Lobster　Bisque）、そしてSea Foodパエリア等を頂く。Wineは地元MexicoのMonte Xanic Chardonnay。各々超美味。

　　　 

　　　   

今回宿泊したThe Ritz Carlton Hotel Cancunの館内は、落ちついた邸宅風の雰囲気で感じが良い。全館、Holiday SeasonということでLobbyや階段、レストランのEntrance等、至るところにDecorativeな電飾が施されており大変美しい。サービスも申し分なく、大変お勧めである。

　　　 

　　　

　　　

　　　  

知力体力共にたっぷり充電して、年明けからの仕事に備えたいと思う。

今、日本がなすべきこと

アメリカは今日からクリスマス休暇。当方は今年は昨日で仕事納め。この1年を振り返ると共に、日本の現状と今後に思いを馳せる。

前回のエントリでケインズについて少し触れたが、ケインズと言えば当然真っ先に有効需要の原理が思い浮かぶ。90年代、日本経済が沈んでいく過程で当方はリチャード・クーが主張していたケインジアン的な論理の展開が好きだった。曰く、①日本の90年代の不況はバランスシート不況なので、誰もが借金返済を優先して有効需要が加速度的にシュリンクする合成の誤謬が起きている、②従って民間（企業部門）のバランスシート調整が終わる迄は公的部門が需要を創出して経済を下支えすべし、という論理である。この論理は一定の説得力を持っていると思われ、同時期に竹中平蔵が展開していた新自由主義的な市場原理に即した政策論をひどく無責任に感じたものである。

一方で、この公的部門の巨大な支出は公共工事分野を中心に一部セクターの新陳代謝を結果として停滞させ、産業全体の資源配分を歪めてしまったことも残念ながら事実である。縮小が妥当なセクターの資源が温存・拡張され、本来資源が向かうべき分野の成長や生産性向上を阻害した面もあろう。無論、公的部門の需要下支えが無くてはそもそも日本経済は恐慌に至っていたという議論にも相応のRealityがあると思われ、このSpendingが不要だったと主張するつもりは無い。一方で、日本の輸出産業以外のセクターの生産性が相当見劣りすること、そして日本全体の潜在成長力が低下の一途を辿っていることも事実であり、やはり日本経済の中長期の成長力向上に寄与するようなセクターに資源配分を誘導するよう、Spending分野をもう少し工夫する余地は無かったかと思わざるを得ない。

さて、時代は下ってここ数年。21世紀に入り、日本経済は90年代の長い不況期を抜け、一部の輸出産業が全体を牽引する構図は引き続き維持したままながらも、バランスシートの毀損回復もうようやく進んで緩やかな回復期に向かった。そこに円安バブル・外需バブルの追い風が吹く。これら要因で輸出産業中心に業績が伸び、日本経済が一息ついていた過去数年は産業のScrap & Buildや資源の再配分に着手する好機会だったかのではないかと思う。が、それは再びかなわず、且つ残念ながら日本経済を牽引して来た輸出産業の業績は足元急速に悪化し、90年代の大規模政府支出期に続いてこのニ回目の変革のチャンスも既に過ぎ去りつつある。

そして、外需のShrinkと円高傾向に加えて、追い討ちをかけるように日本の基幹産業に構造的なチャレンジが突きつけられている。90年代から、家電分野でやられ、半導体分野でやられ、PCやネットワーク機器等の各種IT機器分野でやられたのと同じ構図、即ち垂直統合から水平分業への産業構造のシフトやモジュール化の波が引き続き日本経済を覆う。次は自動車か。シリコンバレーでは、ガソリンエンジン時代の次を睨んで電気自動車を手掛けるベンチャー企業がここ数年で複数設立されているが、「既存の超大手自動車メーカにドンキホーテ的に立ち向かって行って本当に勝算はあるの？」という問いかけに対し、彼らの言い分は基本的にこの「モジュール化」に商機を見出す方向である。電気自動車へのシフトを契機に、パソコン業界のMSやインテルのように、自動車業界でもゆくゆくはバッテリーや モーターなどのキーデバイスを押さえる企業に利潤が集中し、自動車メーカ自身は各種部品をアセンブリして車を仕上げる組み立て事業者に変質して行くのかも知れない。極論すれば、当地自動車ベンチャーのロールモデルは垂直統合モデルの頂点に立つ既存の大手自動車メーカではなく、デルコンピュータ（アセンブリ特化）だったりインテル（キーデバイス集中）だったりファブレス半導体企業（開発特化）だったりする。様々な製品分野において、成熟化が進展するにつれてマス市場は水平分業モデルに覆われ、垂直統合モデルが生かせるSpaceは高付加価値路線の一部市場に限定されて行く、という事象が起きていることは歴史が示している。自動車産業が例外になる積極的理由は今のところ思い至らない。その時、日本の最重要基幹産業に何が起きるか。

 

と、あまり明るくないことばかりの列挙となったが、上記問題点を踏まえて今後我々が成すべきことを纏めると、①生産性の低い国内産業分野のScrap & builtや生産性向上、②景気を牽引していた輸出型産業が手掛ける現行製品の水平分業モデルへの順次シフト、そして垂直統合モデルが生きる新たな製品分野の設定とR&D・早期産業化、の2点となろうか。

 

上記①はSchrinkして行く産業分野への激変緩和措置や新産業の育成・生産性向上に資する規制緩和や財政措置等が政府の役割となろう。前述の通り、これは本来財政余力が現在より高かったポストバブル期や最近までの好況期にDrasticに取り組むべき事柄ではあったと思われるが、兎に角今からでもやるしかなかろう。そして民間は兎に角積極的に新しい事業モデルを興してチャレンジすべし、となる。上記②は主に個別企業の経営力にDependすると思われる。各製品分野において、ライフサイクル初期～中期において有効な垂直統合モデルを経て、製品分野の成熟化を先取りする形でしがらみを排して水平分業体制に向けた特化戦略を実行して行く。そして同時に新たな製品分野を切り開き、そこは製品ライフサイクル初期ということで得意な垂直統合モデルで優位を築く。要は1企業内でも産業分野内でも、垂直→水平→新たな製品分野で再び垂直、というサイクルを回して行くということだ。

何のために生きているのか

日曜日。シリコンバレーは今日は雨模様の天気。8月にNapaのProvenance Vineyardsを訪ねた際に購入した2005 Beckstoffer To Kalon Vineyard Cabernetを開け、Whole Foodsで買ったBrieをかじりながら久しぶりに読書にふける。

最近、仕事はあれこれ手を出していて引き続き超多忙である。先週は1週間あちこち駆けずり回り、ほとんどOfficeの自席で過ごす時間を取れず。毎日会食が続いて夜もずっと出ずっぱりだった。今週も会議の連続で相変わらず色々と欲張っている。肌感覚として、シリコンバレーは金融危機でも全然元気で、Top Tier VCを中心に中枢にいる人々は引き続き超多忙である。シリコンバレーは沈まない。アメリカも沈まない。この国の多様性やイノベーション力を侮ってはいけない。このテーマは本エントリの主旨とずれるので、また別途色々書いてみたい。

さてそんな中、先週水曜には片道3時間30分の長距離ドライブを経て、某所に日帰り出張。道中車内で幾つか電話会議をこなした後は大音量でCDをかける。誰にも邪魔されずに2～3時間音楽に没頭出来るのは飛行機に乗った時くらいであり、大変貴重な時間。選曲はSymphony中心の組み立て。BrahmsのSymphony 1番、4番。そしてBrucknerの7番、8番と続く。帰路は室内楽中心の組み立てとして、Shostakovichの音楽に身悶えする。

芸術に感動し、真理に少しでも近づくべく思索・探求を続けることがそもそも生きる意味であると思う。仕事はこの上なく知的興奮に満ちていて大変充実しているが、それはより重要な何かに従属している二義的なものであるという解釈は、その真偽は別にして仕事のプレッシャーを多少なりとも緩和する効果があったり、自らの仕事を客観視してより公平・謙虚且つ正しい判断を重ねて行ける効果があったり、そして心のバランスを維持する上でも大変有効であろうと思う。仕事を二義的な存在と置くことが、逆説的なるも仕事のPerformanceに良い意味での差異をもたらすのではないかと思う。

マクロ経済学の大家ジョン・メイナード・ケインズは、経済学の分野で偉業を成し遂げるに留まらず、第一次大戦後のヴェルサイユ条約交渉や第二次世界大戦末期のブレトンウッズ体制を決する過程でアメリカとの交渉の矢面に立ってIMFの設立に深く関与するなど優秀なイギリス国官僚としての顔も持ち、その他哲学や政治そして芸術の分野でも多くの論文を残す等、大変多彩な人物だった。特に晩年はイギリス芸術評議会の設立に関与して会長に就任する等、オペラやバレエを筆頭に芸術の振興に尽力した。そして、彼は『雇用・利子および貨幣の一般理論』に代表されるマクロ経済学の偉業を実用的な知識と見なし、その意義を芸術や哲学より下位に置く。その後の世界各国の経済政策に多大な影響を与えた20世紀を代表する偉大な知的業績を生み出した本人が、その業績を1実用知識と片付けて芸術により普遍的な意義を見出す姿勢は喩えようの無いほど痛快である。かくありたいと思うのは、当方だけだろうか。

　　　   

　　　 

Fantasy of Lights in Vasona Lake County Park

晴天の土曜日。今日はDinner後にLos GatosのVasona Lake County Parkで行われているクリスマスイルミネーションの展示「Fantasy of Lights」を見に行く（333 Blossom Hill Rd Los Gatos, CA 95032 TEL (408) 356-2729）。

　　　 

展示は大人気で、Waitingの車の列に並び、約1時間後にようやく入園。指定の周波数にカーステレオを合わせてクリスマスソングのBGMを楽しみながら、車でゆっくり移動しながら園内車道脇に多数展示されているイルミネーションを楽しむ仕掛け。園内ではイルミネーションを楽しむ為にヘッドライトを消すよう促される。

　　　 

光の回廊をくぐって園内奥へ。

　　　 

園内は恐竜やおとぎ話をテーマにした楽しい展示多数。かなりお勧めの展示である。 

クリスマスイルミネーション

シリコンバレーも年の瀬が迫り、クリスマスイルミネーションの飾りつけをするお宅があちこちで見られるようになって来た。この季節の風物詩ということで、定番系の気合の入ったお宅に今年も出向いてみる。まず2箇所ほど。。

1軒目は、過去10年間連続でSanta Clara Annual Holiday Decoration Contestで入賞しているお宅（375 Los Padres Blvd, Santa Clara CA）。電飾数5万個の圧倒的なボリューム感。過去3年毎年通っているが、何度見ても圧巻。

 

続けてLos Altosに向かう。Foothill ExpyからGrant Rdに入り、Fremont Aveを越えてすぐ左のEstate Dr.へ。ここは、10軒ほどのお宅が電飾の飾りつけをしているArea。通り全体が輝き大変美しい。（Estate Dr Los Altos, CA 94024）

 

再びNapa Valley ～ Joseph Phelps, Del DottoそしてCardinale

曇り空の日曜日。日本から出張者来訪。先週末に引き続き、Napa Valleyへ向かう。今日のTasting Courseは出張者のお好みも勘案しつつ、ややPrivate感的な雰囲気をイメージして以下の組み立てを考えた。前日までに各Wineryに事前にTastingアポを入れて準備万端（今日訪問したWineryは全て事前予約制）。

• 10:00am 定番OPUS ONEで慣らし運転。
• 11:00am Joseph Phelpsで気持ちの良い庭に出て、Vineyardsを眺めながらInsigniaをやる。
• 11:45am Auberge du Soleilのテラス席でランチ。Rutherford地区のブドウ畑を見下ろしながら超美味Pork Chopをほおばる。
• 13:30pm Del Dottoで蝋燭に照らし出されたWine貯蔵庫内を回るCave Tour & Tastingをする。
• 15:00pm Cardinaleの落ちついた個室応接室でシメのTastingをする。

まずは定番OPUS ONEに立ち寄った後、Joseph Phelpsへ。

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Joseph Phelps （200 Taplin Road St Helena 94574 TEL (707) 963-2745）

OPUS ONEを出て、St. Helena HwyからZinfandel Lnを経てSilverado Trailへ。約10分の道のりでJoseph Phelps到着。

　　　 

正門をくぐって中へ。小高い丘の上にTasting Roomがある。Tasting Roomの前は一面の葡萄畑。曇り空の隙間から陽光が降り注ぎ、少しもやがかかって幻想的な趣。物音１つ無い静寂を暫し楽しむ。

　　　

予約時間になり、Tasting Roomに入る。室内には巨大な樽が並んでいて印象的。

　　　 

Joseph Phelpsは1972年創業の老舗。高級ブランドのInsigniaを筆頭にCabernetのイメージが強いが、1999年にSonoma CoastのFreestone Vineyardsを買収してFreestoneブランドでPinot NoirやChardonnayも手がけるようになった。Tasting Menuには両者のWineが並ぶ。

2006 Sauvignon Blanc 'St. Helena'
2006 Chardonnay, Fogdog, Freestone Winery
2006 Pinot Noir, Fogdog, Freestone Winery
2006 Napa Valley Merlot
2005 Napa Valley Cabernet Sauvignon
2005 Insignia

Sauvignon Blancは甘さ控えめで当方好みの仕上がり。美味。続けてFreestoneのChardonnay。抑え気味のバター香、豊かで柔らかい上品な飲み口。結構うまい。そして同じくFreestoneのPinot Noir。Pinotにしてはしっかり味。Complexな味付けでかなり美味。その他、Merlot、CabernetそしてInsigniaはJoseph Phelpsということで当然ながら超超美味。

Freestoneブランド、結構うまいかも知れない。Freestoneの場所はSonoma Coast地区、Tastingは金・土・日の午前11時から午後5時まででアポは不要とのこと（12747 El Camino Bodega, Freestone CA  95472 TEL （707）-874-1010）。Joseph PhelpsでTastingすると、無料のTasting Couponを貰える。

Joseph Phelpsを後に。Silverado Trailを5分ほど走ってAuberge du Soleil到着。超美味ランチをほうばる。同レストラン詳細については2007年8月19日付エントリ「Napa ValleyのAuberge du Soleilのランチは超お勧め」ご参照。今日は詳細割愛。一言で言えば、相変わらず超美味＆超お勧めである。

ランチ後、Del Dottoに向かう。Silverado Trailを少し北上し、Zinfandel Lnを通ってSt Helena Hwyに出てすぐ。約10分でDel Dotto到着。お目当てはCave Tour & Tasting。

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The Del Dotto Estate Winery & Caves（1445 St. Helena Highway South, St. Helena, CA 94574 TEL（707）-963-2134）

城のような外観の建物。地上から1フロア下がったところにエントランスがある。

　　　 

建物に入ると、Tasting Barが。ここでChardonnayを1杯やりながら、Cave TourのRegistrationを行う。予約時間の5分前に到着し、Formに氏名等を記入。我々を入れて6名でのTasting Tourとなった。

 

Wineの貯蔵庫へ入る。外の光が全く入らない貯蔵庫。中は薄暗くてひんやりした空気が漂い、奥までずっと、ろうそくの火が連なっていて幻想的。回廊の長さは約100m。天井のレンガは古い建物から移築したものだそうだ。

　　　 

ろうそくの明かりを頼りにCave内部を移動しながら、直接樽からWineを汲んでGlassに注いで貰う。Cabernet Sauvignon、Cabernet Franc、Merlot、Sangiovese等、ちゃんと数えていないが10種類を優に超えるTasting。暗い中を移動しながらのTastingでMemoを取れずに詳細は覚えていないが、いずれも美味。

　　　 

TastingしたWineが入っている樽には、正面にWineの名前とVintageが書いてあるカードが挿してあり、Tastingして気に入ったWineあった場合は、カードを取っておくと何がうまかったのか後でReviewして購入出来る仕掛けになっている。また、同じ内容で異なるVintageのWineを飲み比べたり、同じWineをFrench Oak樽で寝かせたものとAmerican Oak樽で寝かせたもので飲み比べたり等、色々と企画も面白い。

総工程1時間ほどのTasting Tour。Tasting出来るWineの種類、味、Caveの雰囲気そして企画。いずれも満足出来る水準でお勧めである。

Del Dottoを後に。St. Helena Hwyを南下してOakvilleへ。今日の最後の目的地、Cardinaleへ向かう。

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Cardinale（7600 St. Helena Highway Oakville, CA 94562 TEL （707）-948-2643）

St. Helena Hwyを南下。OPUS ONEを越え、Yontvilleの少し手前。小高い丘を登って行くとCardinaleのTasting Room建物が見えて来る。

　　　 

建物に入ると清潔感ある立派なTasting Counterが。ここで予約事実を告げ、チェックイン。日曜午後3時。このTimeslotの予約は我々だけで、また今日はこれで終わりだそうだ。係りのご婦人も「今日はこれで仕事納め」とリラックスした御様子。

　　　 

バルコニーからのVineyardsのViewを楽しんだ後、邸宅のDining Room風の個室に通される。ここでTasting。係りのご婦人と我々だけで広い個室をゆったり使い、くつろいだ雰囲気で良い感じ。

 

Cardinaleが作っているWineはCab1種類のみで、12%MerlotをBlend。Napa Valleyの様々な地区からGrapeを集め、Blendして作っている。2005年VintageはMount Veeder（39.5%）、Howell Mountain（17.2%）、Oakville（12.6%）、Stags Leap（11%）、Spring Mountain（10.7%）、St. Helena（9%）という構成で、広範な地区のGrapeがBlendされている。

味はFull Bodyの芳醇そのもので超超美味。但し値段は1本$200とちょっと手が出ない水準で、買わずに（買えずに）Tastingのみ楽しむ。ご婦人に「どういう人がこれ買いに来るの？」と聞いたところ、「例えば先週Private JetでNapa Valley Airportに降りてそこからLimoに乗って来た御人が、100本ほど纏めて買って行った」との返答。

1本2万円のWineを100本纏めて大人買い、という話を聞かされてかなり萎えるが、気を取り直してTasting続行。目の前に色々と食べ物が盛り付けてあるPlateが置かれる。岩塩、ライム、ぶどう、枝豆、生ハム、チーズ、Dark Chocolate、そしてクラッカー。

　　　  

塩をなめた後のWineはまろやかに、ぶどうを食べた後のWineはダメ、などとおしゃべりをしながらWine Glassを傾ける。落ち着いた個室で、食べ物とWineの相性を色々語り合いながらうまいWineを飲む。至福の時間。。。

Tasting終了。Tasting Roomに置いてあったJa Jota VineyardのCabernet Sauvignon Howell Mountain 2003を1本購入してTasting Roomを後にする。最後に、バルコニーに出てTasting Room前のVineyard Viewを暫し堪能。時刻は午後4時を回り、大分日が傾いて来た。

　　　

Napaを後に。出張者殿も大満足のご様子でなにより。明日からまた、気合を入れて仕事に取り組みたい。