日本帰国後2ヶ月半強経過。昨日25日(土)から1泊で帰国後初の泊りがけ旅行に出かける。約5年ぶりの日本国内旅行再開の第一弾に選んだのは、中軽井沢の「星のや」。谷の集落といった趣で、和風且つモダンな建物が点在する集落の周囲を深い森が囲む。鳥のさえずりと水の音以外には物音1つ無い静寂。
チェックイン後、檜風呂に浸かって作務衣に着替えて心底リラックス。下駄をつっかけてホテル内の和食ダイニング、「嘉助」に向かう。高い天井と段々状に設置された食事Spaceが大変面白い。DinnerはPre-Fixのコース。落ち着いて取り組む。
まずは料理長からのご挨拶ということで、「鹿の冷吸 粉山椒」。山椒のピリッと利いた鹿風味のSoup。爽やかな美味。
続けて先附け。「野菜そうめん」とMenuにはあるが、目の前には巨大な「瓜」が運ばれて来て驚く。
聞くとこれは容器ということで、上ぶたを開けて中に入っている野菜そうめん殿とご対面。長芋・胡瓜・白土馬鈴薯・糸瓜・人参のそうめん風仕立て。アボガド酢で頂く。各々新鮮そのものの野菜でシャキシャキ感がたまらない。超超美味。
続けて煮物椀。鱧の煮物である。ほのかな柚子風味が爽やかでうまい。下に敷いてあるのは玉ねぎ。地元信州の玉ねぎだそうで、生だと無茶苦茶辛いが煮ると大変甘くなるとのウェイトレス殿のご説明。一口含んでその天然の甘さに感動。これはうまい。。。
ここまで1つ1つの料理がいずれも超美味で大満足。高い天井を仰ぎ、信州の地ビールのうまさに感動しながら、やっぱり日本が一番だなーと思いを新たにする。。
そうこうしているうちに、また何か一風変わった形状の料理が運ばれて来る。籠である・・・・。
蓋をあけると、その中には様々な料理が。右手前から時計周りに、やまめ無花果、ブロッコリー、赤万願寺つくね焼き、フォアグラ甘藍巻き、セロリもろみ豆腐和え、信州サーモンの酢の物、そして葉っぱに隠れて牛ロースとクレソンのおひたし。見た目も味も本当に超一級品。個人的なFavoriteは牛ロースとクレソンのおひたし、そしてフォアグラ甘藍巻き。いずれもさっぱりした驚きのうまさ。しつこくないフォアグラというのは、本来ありえない概念である。
続けて今度は何やら煙がモクモク出ている草の塊のようなものが運ばれて来た。鮎の炭火焼である。
シンプルに塩で味付けしてあるだけなのだが、これが実にうまくて感動。信州のきりっと冷えた純米大吟醸を飲みながら、鮎の塩焼きに舌鼓を打つ。余りも正しい日本の夕食。わが人生に一点の曇りも無し、と意味不明の納得感を得る。
日本酒をやりながら次の料理を待つ。Menuに「嘉助特製季節野菜の豆腐」とあり、「玉蜀黍のおとうふ」とある。「玉蜀黍」は何と読むんだろうと思案していると、料理が運ばれて来た。巨大な蓮の葉っぱが目を引くが、その中央部にちょこんとお豆腐が乗っている。聞くと、「とうもろこし」だそうだ。(確かにIMEで「とうもろこし」と入れて変換すると、「玉蜀黍」と出た。。。)
とうもろこしの豆腐の上に、これまたとうもろこし風味の煮こごり。そして全体を甘めのソースが包む。これも余りのうまさに絶句する。とうもろこし本来の自然な甘みと旨みがストレートに美味。おそらく素材がとびきり新鮮であるのと、水もまたとても良いのだろう。(ちなみに星のやの客室の水道水は近隣の湧き水を使っていて、これがまろやかで何ともうまい。)
食事も大分佳境に差し掛かって来た。次は揚げ物。天ぷらのようなものが出て来るかと期待していたら、皿一面にトマトソースがぶっかかっている一品が出て来て驚く。。。丸茄子、蕃茄味噌、とまと煎餅、しし唐。トマトソースの下には軽く揚げた茄子が。純和風の料理が続いた後だけに、少しほっとするSolidな味付けの一品。このままスパゲティにぶっかけたらかなりうまそうである。
そして次は焚き合せ。大岩魚、万願寺唐辛子、ズッキーニ、なんきん、軽井沢いんげん、小芋、赤ピーマン。いずれもとりたてて派手さは無いのだが、どれもが地元で取れた大変新鮮な野菜であり、いちいちプラスαの美味さ加減。1つ1つ口に含みながら、いちいち「うめー」を連発して日本酒をぐいっとやる。
食事の最後はご飯。ごぼうと椎茸の炊き込みご飯。そして上にうなぎの蒲焼が2切れ。ごぼうも椎茸も土地のものだそうだ。うなぎを含めて当然ながら超美味。おかわり自由と聞いて、すかさずおかわりをオーダーする。炊き込みご飯だけでなく、ちゃんとうなぎもおかわり出来るのが極めて良心的で感動。
最後にデザートが2品。まずは「季節の果物」。写真右から左にトマト(の中に何か入っていたが忘れた)、桃のゼリー、梅のゼリー、奥がスイカ、手前左端がマンゴーのシャーベット。いずれも美味このバラエティの豊かさが大変楽しい。
そして最後に善哉の中に抹茶アイス。ほっとするような安心系美味。
善哉を平らげ、これでDinnerの予定がすべて終了。嘉助は素材の新鮮さ、調理のうまさ、盛り付けの創意工夫、ウェイトレスのホスピタリティ、店の雰囲気、いずれも期待を大きく超える出来であった。文句なしの超超超お勧めレストランである。